今回は論文の書き方についてです。
基本的なことを簡単に書いてみたので、卒論生や修論生で「そもそも論文ってどうやって書けばいいの?」という人の参考になればいいなと思います。
論文を書く時に抑えるべきポイントは、(種類によりますが)論文以外の文章を書く時にも通じるものがあると思うので、論理的な文章が書きたい人の助けにもなるかもしれません。
私の結論として、抑えるべきポイントは
- 適切に課題が発見されているか?
- 論理的か?
- 課題が解決されているか?
です。
以下解説していきます。
目次
論文とは何か
「そもそも論文って何?」と聞かれて明確に答えられる人は研究職の方を除くと多くないのではないかと思います。
私も博士課程の授業で問われた時に自信をもって答えることはできませんでした。
色々な定義はあると思いますが、その授業時に先生が提示した答えは
「問題(課題)を指摘(発見)し、それを論理的に解決するもの」
でした。
個人的にはこれが端的でわかりやすいので使わせてもらっています。
この定義から、論文を書く時(および読む時)にポイントとなるのは
- 適切に問題(課題)が指摘(発見)されているか?
- 論理的か?
- 問題(課題)が解決されているか?
と考えられます。
適切に問題(課題)が指摘(発見)されているか?
問題(課題)は、まだ科学的に証明されておらず、なおかつ証明する価値があるものでなければいけません。
このような問題(課題)を発見するには、十分な先行研究のレビューなどが必要です。
論文を読みながら
「これまでどういう研究がされてきていて、問題はどこにあって、解決されるとどういう風に活きるのか」
ということを整理すると理解しやすくなります。
論理的か?
全体として論理性は必要ですが、特に見るべきなのは
「目的を達成するために適切な分析手法が使われていて、得られたデータが論理の飛躍無く考察されているか」だと思います。
例えば
「サッカーでは赤いユニフォームを着ているチームの勝率が高いから赤いユニフォームを着た方がいい!」
という文章を読んでも
「うちのチームもユニフォームの色を赤にしよう!」とはなりませんよね。
サッカーの勝敗にはもっと多くの要因が関わっているので、もしこの主張をしたい場合は根拠となるデータをもっと提示しなければなりません。
このように、「このデータからそこまで言えるのかな?」という視点をもって論文(論文以外の文献もそうですが)を読むことはとても重要です。
実践現場で活用する場合でも、納得した上で使いたいと私は思っています。
問題(課題)が解決されているか?
最後に、指摘(発見)された問題(課題)が解決されているかを確認します。
論文でははじめに目的を明確に記述します。
基本的にはこの目的は、自分が指摘した問題の解決になります。
そのため当然結論は目的が達成されたか(問題が解決したか)です。
ここがズレていないかを確認します。
「そんなのズレないでしょ」と思う人や実際ズレない人もいると思いますが、私は長い文章を書いていると「目的なんだっけ?」となることがあります。
そのまま書き続けてしまうと目的と結論が合わず、着地に失敗します。
なので、特に考察をするときは目的を見返しながら書き進めて着地点を見据えることが大事です。
(目的と結果から結論までの考察の筋道をメモ書きしておくのも効果的)
まとめ
以上をまとめると、論文を書く時に抑えるべきポイントと解決策は
- 適切に課題が発見されているか? → しっかり先行研究をレビューする
- 論理的か? → 論理の飛躍がないか批判的に自分の文章を読む
- 課題が解決されているか? → 目的と結論を照らし合わせる
となります。
細かいチェック項目は多々ありますが、まずはこれらのポイントを抑えるべきだと思います。
また、論文の書き方についてはたくさんの素晴らしい本がでています。
例えば
この本は非常にわかりやすく、基礎的なことから学べます。
また、おすすめの本に関しては以下の記事でもまとめていますのでご覧ください。