基本的に論文の構成は決まっています。
いわゆる「型」があり、この「型」を理解しておくと論文は書きやすくなります。
「型」自体は全く難しくないですし、
論文の書き方的な本には必ず説明されています。
とにかく全体の構造を端的に知りたい
という人向けに論文の構成とそれぞれの意味合いについて簡単にまとめました。
パッと全体像を捉えましょう。
目次
論文の構成
論文の「型」
基本的に論文は以下の構成になっています。
- 緒言
- 方法
- 結果
- 考察
- 結論
- 文献
「基本的には」なので、多少違うこともありますが多くの論文はこの構成になっています。
次にそれぞれの項がどのような役割を持っているかについてです。
- 緒言 →研究を行った理由
- 方法 →研究がどう行われたか
- 結果 →どのような結果が出たか
- 考察 →結果からどのようなことが考えられるか
- 結論 →考察から何が導かれたか
- 文献 →参考にした論文など
緒言→研究を行った理由
緒言ではなぜこの研究を行なったのか、理由や必要性を説明します。
そして研究の目的を明記します。
ポイントとしては自分の意見を述べるだけにならず、先行研究などをもとに自分の論文の立ち位置をはっきり書くことです。
ゴールに目的を書いておいて、大まかな流れを箇条書きにしておくと書きやすいです。
方法→研究がどう行われたか
論文を読んだ人が研究を再現できるように、どのように研究を行なったかを正確に書きます。
特に言葉の定義を明確にしておくことが大事です。
色々な解釈ができる状態だと研究の再現ができなくなります。
自分ではどの言葉を定義づけるべきか判断が難しかったりするので、研究仲間等に読んでもらうと良いでしょう。
結果→どのような結果が出たか
結果は淡々と書きます。
わかりやすいように図表も作成します。
量的研究であれば、有意差があったかどうかが中心になります。
考察→結果からどのようなことが考えられるか
結果を受けて、その結果がどのような意味を持つかを考えて記述します。
パターンとしては
- 先行研究の傾向と同じ(もしくは違う)理由
- 他の結果との関連性
- 先行研究の結果をもとに考えられること
などがあげられます。注意点としては論理が飛躍しないことです。
目的に呼応する結論をゴールに設定して大まかな流れを箇条書きしてからまとめると書きやすいです。
結論→考察から何が導かれたか
研究の目的が達成したかという観点から、考察によって導かれた結論を記述します。
普通の文章スタイルもありますが、「箇条書き→まとめ」パターンもよく見ます。
文献→参考にした論文など
Reference、文献、参考文献、引用文献などのことについてです。
論文上で引用したり参考にした文献は最後にまとめて記述します。
ポイントは
- 体裁を確認する
- 引用・参考した際に書いておく
などです。
1は学術誌や大学などによって異なるので投稿規定をしっかりと確認します。
投稿規定がない場合(修士論文など)は過去に発表された論文を参考にします。
2は引用・参考にしたはいいものの、文献リストを作ろうとした時にどこから引用したかがわからなくなったりすることを防ぐためです。
規定によっては該当ページ数を書く必要があったりするので、執筆と並行してリスト作成すると忘れません。
リストの作成に関しては以下の記事が参考になるかもしれません。
【参考】【知識を積みあげる】論文の探し方・まとめ方【Google Scholar】
変な書き方にならないためのおすすめの方法
以上の点に留意しつつ執筆していくわけですが、個人的なおすすめは
- 自分と同じ研究手法を使っている論文の流れを真似る
です。
当然文章は同じにしませんが、同じ研究手法を採用している論文の流れを真似ることで大きな枠組みとしてのミスをなくすことができます。
個別に参考にしても問題ありません。(例えば結果の項のみ参考にするなど)
最後に
今回は大きな枠組みとしての論文の構成をまとめてみました。
それぞれの項の細かい書き方についても今後書いていきます。
論文の書き方については本もたくさん出版されています。
おすすめの本は過去記事【大学院生の時に読んでおいてよかった本10冊】でも紹介しているので良ければ読んでみて下さい。