ゲーム形式のトレーニングのみ行った場合とボールの無いトレーニングを混ぜた場合にどのような違いがあるかを育成年代を対象に検討した論文のレビューです。
結論として、どちらのトレーニングもフィジカルフィットネスは同程度向上しています。
目次
論文内容
方法
実験参加者:9歳以下の男子選手40名。
手順:実験参加者を20名ずつに分け、ゲーム形式を主体としたトレーニングプログラムとボールの無いトレーニングを含めたトレーニングプログラムに割り振り、それぞれ12週行った。
トレーニングプログラム前後でフィジカルフィットネスの評価として、立ち幅跳び・シャトルドリブルテスト・10m×5シャトルラン、ミニクーパーテストを行った。
結果
両トレーニングともにフィジカルフィットネスは向上した。
10m×5シャトルランにおいてのみ、ボール無しのトレーニングを含むトレーニンググループの方がゲーム形式を主体としたトレーニンググループよりも有意に速かった。
考察
技術・戦術面を除いたフィジカルフィットネスに関しては、どちらのトレーニングプログラムも向上した。
ボールがない状態での切り返しとハイスピードランニングの繰り返しにおいては、ボール無しのトレーニングを行った方が良い可能性がある。
育成年代では両トレーニングプログラムを行うことが勧められる。
まとめ
「サッカーはサッカーをすることでうまくなる」という考え方が隆盛していますが、運動技能が獲得しきれていない育成年代においてはボールの無いトレーニングを行う必要があるのかもしれません。
ただこの研究ではサッカーのパフォーマンスではなく、フィジカルフィットネスのみ評価しているのでそこは留意すべきです。