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スポーツコーチングと子育ての5つの共通点【育成年代のチーム選びの参考にも】

two toddlers sitting on sofa while using tablet computer

先日、コーチングの本を読んでいて

勝つことが全てではなく、勝つための努力が全て

という文を見つけました。

最近考えていたことと合致していたため

ほんとそれだよなぁ

と思うと同時に

子育ても同じだよなぁ。コーチングと子育てって共通点けっこう多いかも。

と感じました。

そこで今回の記事では、コーチングと子育ての共通点について考察しました。

この共通点について理解していると、選手との関係性構築に良い影響があると考えています。

また、指導者の評価基準としても有効だと思ったので、育成年代の選手・保護者の方にとってはチーム選びの参考にもなると思います。

ちなみに今回の記事で主に参考・引用した本は以下2冊です。

 

 

コーチングと子育ての共通点

共通点①過程にフォーカスする

上記の『自分でできる子に育つ ほめ方叱り方』では、ほめる時と叱る時どちらにおいても

能力や見た目に集中した声掛けを避け、努力や経過に言及したり、子どもの行動について具体的に声をかけたりすることが重要

としています。

コーチングにおいても指導者が選手に対して声をかける時に

「ナイスプレー」「今日のプレーは良かったね」

と結果に対してのみ言及するのではなく

良いプレーを生み出した過程や努力を具体的にほめてあげることが重要です。

さらに上記の本では

大切なのは、子どもの行動を親が思うようにコントロールするために、ほめたり、叱ったりしないようにすること

としています。

現状、スポーツの指導現場では選手をコントロールするためのコーチングを行ってしまう指導者も見受けられます。

選手が自発的にプレーを行うことを目的として、ほめる・叱るという行動を行うことが指導者には求められます。

共通点②要求が適切か考える

子どもは年齢によって、できることも、期待していいことも異なります。成長段階に合わない要求はしないことが重要です。

指導を行う際は、選手に対して何をどこまで期待していいのか、選手は何ができるのかといった現状把握を適切に行う必要があります。

選手のパフォーマンスレベルや成熟度によって、トレーニングの難易度を調整することも指導者の重要な役目の一つとなります。

5歳の子と12歳の子で要求できることが違うのと同じように

同じ年齢でもサッカーの経験年数やパフォーマンスレベルが異なるようであれば、要求できることが変わるからです。

しかし、サッカー面の成長段階や成熟度を的確に把握することは簡単ではありません。

そのため、指導者の頭の中では

こんなことはできていて当然なはずなのに

と思っていても、現状として要求が高くなっているということが多々起きます。

そんな時は、冷静に現状の段階を評価し、適切な課題を与えることに集中する

選手も指導者もストレスが少なくなると思います。

共通点③長期目標を立てる

普段の自分の行動が、子育ての長期的なゴールにいかに貢献しているか、あるいは子どもの成長の邪魔になっているのか、意識して考えてみましょう。

指導者も長期的な目標を達成するために必要な行動であるかを常に意識すべきだと思います。

なぜなら、長期的な目標は、選手のプレーや指導者のコーチングの指標になるからです。

(この目標にはサッカーに関わることはもちろん、人間的な成長に関することも含まれます。)

例えば、長期目標として「自身で適切なプレーを判断できるようになること」があるとしたら

ミスが起きた時に原因を指導者が先回りして教えることは、短期的には改善がみられるかもしれませんが

長期的に見ると目標達成の妨げになってしまいます。

選手自身がミスの原因を発見し、同じような状況下で適切なプレーを選択できるようにコーチングすることが

長期目標に沿ったコーチングとなるでしょう。

だからこそ長期的な目標を立て、その目標達成から逆算したコーチングを意識することが指導者には求められます。

共通点④リーダーになる

親が良きリーダーであるということは、子どもにとって心の安定につながる大切なこと

常にリーダーとして堂々とした立ち振る舞いをすることで、選手との関係性も良いものとなります。

指導者が選手のプレー一つ一つに一喜一憂して、頻繁に介入してしまうことは、選手に不安を与えてしまう可能性があります。

リーダーに求められることの一つには、物事に動揺しない、常に大きく構えることが挙げられます。

このような態度は、選手に信頼感、安心感を与えることができます。

これらは自信を持ってプレーすることに繋がる要素です。

以上から、指導者がリーダーとして堂々と振る舞うことは、選手との信頼関係構築や選手のパフォーマンス向上に繋がると考えられます。

共通点⑤問題を解決するために習慣を丁寧に変える必要がある

上記の本では、相手を批判したり否定したりせずにコミュニケーションをとる方法として

「わたしメッセージ」を紹介しています。

詳しくは本を読んでもらいたいのですが、簡単に紹介すると以下の4要素によって構成されるメッセージのことです。

  • 行動:避難や否定の言葉を使わずに、子どもの行動を客観的に描写する
  • 感情:正直に自分、あるいはかかわった人がどう感じたかを伝える
  • 影響:なぜその行動に問題があるのかを自分、あるいはかかわった人に与える影響を例に説明する
  • 提案:次はどうしたら同じ出来事を回避できるかについて解決策を話し合う

これは、子育てに限らず、選手に対する指導者のコミュニケーションとしても有用なのではないかと思っています。

否定されたり、罰を与えられて素直に反省し成長する人はほぼいません。

そのため、批判・否定をせずに行うコミュニケーションは成長に繋がりやすいと考えられます。

このようなコミュニケーションをとっていくことで、適切な行動の選択に繋がり、習慣化します。

このように、習慣を丁寧に変えていくことが問題を解決するための有効な手段であると思います。

なぜ共通点が多いのか

そもそもコーチングとは

コーチングの語源は「馬車」であるとされています。

目的地に人を運ぶ道具が転じて、スポーツの指導者を行う人物を指し示すようになりました。

現在ではスポーツコーチングは

競技者やチームを育成し、目標達成のために最大限のサポートをする活動全体

を意味するようになっています。

子育てもコーチングも

本質的には目的地に運ぶという側面があると考えられます。

そのため、コーチングと子育てには共通点が多いのかもしれません。

現場で選手と接する時に大事なこと

自分の子どもだと思って接する

時々、指導者を親に形容した選手のコメントを見ることがあります。

そのようなコメントには色々な意味合いがあると思いますが

指導者が選手に対して、自身の子どもだと思い接することは

上記のような良いコーチングを行うための有効な手段の一つだと考えられます。

親にとって子どもは年齢が上がっても自身の子どもであることは変わりません。

そのため、長期的な目標を見据えて成長を促したり捉えたりすることができます。

短期的な関わり合いしかないと思ってしまうと

その期間でどうにか成長させないといけない

という焦りや不安が生まれてしまい、非合理的なコーチングを選択してしまう可能性が高まるかもしれません。

これは、指導者が選手との関係性を長期的なものであると認識することで解決できると思います。

失敗しないチームの選び方【親目線】

選手に対するコーチングを聞く

練習や試合での指導者のコーチング、特にどのように声をかけているかを聞きます。

ポイントとしては

  • ネガティブかポジティブか
  • 理由を論理的に説明しているか

です。

✓ネガティブかポジティブか

基本的にはポジティブな声かけが多い方が良いとされています。

なぜなら、ネガティブ=否定的なコーチングを受けて素直に反省して成長する選手はほとんどいないからです。

特に「ダメ」・「違う」といった言葉を聞くと、人間は自然と攻撃的な思考にシフトしてしまう傾向にあるようです。

もちろん、時にネガティブな声かけも必要ではあります。

どうしても許されないような行動(例えば命の危険がある等)に対しては強く注意をひくことも求められます。

しかし、あまりにネガティブなコーチングの量や頻度が多い指導者は、良い指導者であるかと言われると疑問が生まれるため、避けた方が無難です。

✓理由を論理的に説明しているか

練習中のコーチングも

選手が納得・了解できるような説明が端的に行えているか

このことも良い指導者かどうかの判断基準の一つです。

試合中は説明を行う時間が無い場合もあるため

コーチングはより短くなってしまう可能性があります。

しかし、ハーフタイムや試合後、次の週の練習などを利用することで

コーチングの意図やチーム・個人の課題のフィードバックは行えます。

試合でコーチングを行った現象に対して、論理的な説明を行えているかどうか

指導者・チームを評価する一つの指標と言えると思います。

練習内容が科学的・合理的か観察する

これは専門的な知識が無いと難しい面もあるのですが、

選手の9割が「これ何の意味があるの?」と思っていそうな練習

を頻繁にやる指導者は科学的・合理的な練習を組めない可能性が高いです。

指導歴や経歴も重要ではあると思いますが、

熱意・学ぶ意欲・選手に対する愛情がある指導者は

自然と科学的・合理的な練習をするのではないかと考えています。

逆の場合は選手を傷つけてしまう可能性があるので

そのような指導者が率いるチームはどれだけ強くても選択しない方が無難だと思います。

強くて良い指導者がいるチームはたくさんあります。

また、強くなくても良い指導者がいるチームもたくさんあります。

チームの強さではなく、指導者や理念でチームを選択すると選手も良いサッカー人生を歩めるのではないでしょうか。

最後に

正直私自身は、上記のような良いコーチングが常にできる理想的な指導者・親ではありません。

しかし、より良い指導者・親になるための努力は続けていきたいと思います。

ということで本記事は以上です。

選手との関係性構築、チーム選びなどの参考になればうれしいです。

参考文献

この記事では5つに絞りましたが、コーチングと子育てにはもっと多くの共通点があると思います。

例えばコーチングも子育ても、

感情に左右されてしまう時がある

ということも共通点だと考えています。

それだけでなく、参考にした下記の本では、「こども」を「選手」、「親」を「指導者」に置き換えられる内容がたくさんありました。

本自体は3歳~12歳を対象としていますが、もっと上の世代にも応用できることが多く書いてあると思っているのでおすすめです。

YouTube大学でも題材として扱っていました。(私は本より先にこちらを見ました。)

また、下記の本もおすすめです。

今回は指導者の態度についてを主に参考にしましたが、

スポーツコーチングについて体系的に学ぶことができます。

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