研究

論文の読み方【無料で知識をアップデートする】

新しい知識を入手する方法として一般的なのは

  • 本を読む
  • ウェブサイト・SNSを見る
  • スクール・オンラインサロンに入る

などだと思います。

そこに論文を読むという選択肢を増やすことをおすすめします。

理由としては以下があげられます。

  • 無料で読めるものが多い
  • 一定の質が担保されている

しかし、論文には構造など事前に知っておいた方が良いことがいくつかあります。

そこで今回は、効率的に読むにはどうしたら良いか押さえるべきポイントはどこか、について書きました。

以下は論文を読む時に知っておくと良いことです。

  • 論文の種類
  • 論文の構成
  • どう読むか(順番・媒体)

それでは解説していきます。

論文の読み方

論文の種類

論文にはいくつか種類があります。

大きな枠組みでいうと「査読(さどく)付き」のものと「査読無し」のものです。

査読とは、学術雑誌に投稿された論文に対して同じ分野の専門家が評価することです。

査読によって学術雑誌に掲載する価値があるかどうか、修正が必要かどうか等が判断されます。

例えば日本体育学会の体育学研究という学術雑誌では、投稿後一定期間が経つと2名の査読者の査読結果が通達されます。

結果はそれぞれ「掲載可」、「要修正」、「掲載不可」のどれかで、2名とも「掲載可」の場合は基本的には掲載が決定します。

「要修正」と判断された場合は指摘された修正点を修正して再査読してもらいます。

修正の機会は基本的には2回なので、2回以内に「掲載可」と判断されなければ再投稿が求められます。

このように査読のシステムを導入することで、学術雑誌に掲載される論文の質を担保しています。

査読のない論文は、大学や研究所が刊行する紀要があげられます。

ただし査読がある場合もあるようです。

卒業論文・修士論文・博士論文といった学位論文も審査はあると思いますが査読はありません。

さらに、論文は内容によって総説、原著論文、研究資料、短報などの区分があります。

一般的には査読付きの原著論文の価値が高いとされており、どの学術雑誌に掲載されたかによって評価されることもあります。

ただし他の論文に価値がないというわけではないので、自身で内容を吟味することが重要になります。

論文の構成

学術論文は以下の順で構成されていることが多いです。

  • 要約(Abstract):論文要旨
  • 緒言(Introduction):課題の指摘と研究目的
  • 方法(Methods):目的達成のための研究手法
  • 結果(Results):どのようなデータが得られたか
  • 考察(Discussion):得られたデータの解釈
  • 結論(Conclusion):まとめ

論文の区分などによって構成が違うこともあるので、まずはざっと論文の構成をみましょう。

博士論文などは目次があるので「時間がなければ目次だけでも目を通すべき」と私は教わりました。

どう読むか(順番・媒体)

読む順番

読む順番としては

  1. 要約
  2. 結論
  3. 方法
  4. 図表
  5. 考察
  6. 緒言

という時が私は多いです。

気分によっては頭から順番に読んでいくこともあります。

でも効率を求める時にはこの順番で読んでいます。

まず要約(Abstract)を読みます。

論文の要旨が書かれているので、ちょっと興味がある、研究を深く知りたいわけではないけど知識を増やしたいという感じの場合は要約だけを読んで終わりでもいいかもしれません。

論文の全体像は把握できます。

次に結論を読みます。

多くの論文は結論部分に著者の最も主張したいこと(メインメッセージ)が書かれているので、確認しておきます。

続いて研究手法は何かを見ます。

どのようにデータをとって分析したか、といった方法論はたくさんあるので面白いです。

その後、図表で結果を確認します。

良い論文は図表もわかりやすいので文章を読まなくても良い時があります。

そして考察、緒言と読みますが、著者が同じだったり、似たような研究の場合は流れが同じような感じの時があるので読まないこともあります。

読む目的によります。

読む媒体

紙か電子かの話です。

どちらもメリットとデメリットがあると思いますが、私は基本パソコンかiPadで読んでいます。

理由としては

  • コピペがしやすい(スプレッドシートにまとめながら読むので)
  • 印刷機が家にない
  • 保管場所がない

などがあります。

どちらの媒体で読むかは好みや環境によると思います。

「紙じゃないと頭に入ってこない!」という人もいますし、私の場合はどちらが良いというよりは環境的な問題が大きいので。

パソコンで読む場合は可能であればデュアルディスプレイで作業することがおすすめです。

文字が大きい方が読みやすいからです。

私は大学院時代はデュアルディスプレイで作業していましたが、現在はノートパソコン1台なので画面を分割するか「Alt+Tab」で画面を切り替えつつ作業しています。

デュアルディスプレイ

まとめ

ここまでをまとめると以下のようになります。

  1. 論文の種類をみる(査読の有無など)
  2. 論文の構成を確認する
  3. 要約→結論→方法→図表→考察・緒言の順に読む
  4. 紙か電子かは読みやすい方でどうぞ

私はこんな感じで読むと良いのかなと思っています。

もちろん人によって違うと思うので、是非自分なりの方法を見つけてください。

論文の探し方については下記記事を参考にしてみて下さい。

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