今シーズンから現場と研究の両面で使えると言うことでhudlとhudlアシストを利用させてもらっています。
まだまだ使い始めたばかりで使いこなせてる感は一切ないですが、この超初期状態で感じたことを書き綴ります。
hudlやhudlアシストの利用を検討している人の助けになればうれしいです。
目次
利用開始の経緯
そもそもなぜhudlの利用を検討しだしたかというと、同じ大学の先生に紹介していただいたことが発端でした。
研究ではDartfishを使用しているのですが、現場では使用していなかったことや、純粋にhudlに興味があったこともあり話を聞かせていただくことになりました。
もちろん存在は知っていたため、特にhudlアシストに興味がありました。
話を聞いた時には、他の分析ツールのこともある程度調べていたこともあり、他のツールとの違いはある程度明確にわかりました。
私が感じたhudlと他のツールとの最も大きな違いは
hudlアシストというサービスが利用できる
という点でした。
もちろんUIがより良さそうとかも多少なり感じたのですが、圧倒的に違うという意味ではこの一点でした。
金額的にもとんでもない額ではなく、hudlアシスト込みで最安で15万円前後だったと記憶しています。(当時の金額です。)
ちなみに、hudlという箱があった上でアシストも利用できるという形になっています。
その後、学内の研究資金公募でGPSとゲーム分析ツールを利用した事例研究の計画書が採用されたこともあり、hudlの利用を決断しました。
導入までの手順とスピード
導入はものすごいスピードでやっていただきました。
申請の締め切り直前ということもあり、数日中に諸々お願いしなければならなかったのですが対応していただきました。
直接やり取りして下さる方がいるので、その方と連絡をとりあえばスムーズに導入まで持っていけます。
また、アシストに関してはトライアル期間があったので、トライアル後に導入を決定しました。
チームへの導入手順としては
- アプリ(ブラウザでも可能だが)を選手やスタッフに各自入れてもらう
- こちら(マスター的立場)から招待コード等を送る
- 各自プロフィールを設定して登録申請
- マスターの承認
というような流れでメンバー登録がなされていきます。
選手のプロフィール(ポジションや背番号など)はメールアドレスを除いていつでも変更できるので多少間違えていても問題ありません。
動画のアップロードを行ってからアシストへ送信(色々必要項目は記入します)。
これであとは待つだけです。
実際の使用感
ものすごいスピードで返ってきます。
24時間以内にデータ、タグ付けが返ってくるといったサービスですが、実際はもっと早いです。
もちろん試合によって返却スピードが違うと思いますが、早い時は4時間もかからず返ってきています。
データ収集現場を生で見てみたいです。
使ってみて良いと感じたこと
圧倒的スピードも当然素晴らしいのですが、クオリティーも十分に高いと感じられます。
アシストのレポートで使用されている項目は
- 得点
- アシスト
- シュート数
- 得点率
- 枠内シュート数
- 枠内シュート率
- クロス数
- セットプレー(CK、FK、PK)数
- 失点
- セーブ数
- シュートブロック数
- ポゼッション時間
- ポゼッション率
- ポゼッション数(≒攻撃回数)
- ボール奪取数(アタッキングトランジション)
- ポゼッション数/得点
- ポゼッション時間/得点
- ポゼッション時間/シュート数
- パス回数
- 成功パス回数
- 失敗パス回数
- パス成功率
- 3本以上繋がったパスの数
- 3-5本連続で繋がったパスの数
- 6本以上繋がったパスの数
- 3本以上繋がったパスの平均
- 最も長く繋がったパス本数
- アタッキングサードでのパス本数
- アタッキングサードでの成功パス本数
- アタッキングサードでの失敗パス本数
- アタッキングサードでのパス成功率
- ミドルサード、ディフェンシブサードもアタッキングサード同様の項目
十分というチームも多いのではないかと思う項目数でした。
もちろん、より詳細に分析するためにはもっと多くの項目が必要ではありますが、基本は抑えてあると思いますし、何より自分で取らなくて良いので時間の節約になります。
図にしてくれるのは
- シュート位置
- 各エリアでのパス本数
- 連続パス関連
- タイムライン×ポゼッション率
という感じです。
いくつか画像も載せておきます。
すごいなぁと思ったのは、図表の数値やポイント(例えばシュート位置)をクリックするとその事象が起きた映像を見ることができると言うことです。
こんなところからシュート打ったっけ?と思ったらクリックしてみれば映像が見られるので、データと観察のリンクが容易になります。
逆に欠点は、、
欠点というと良くない印象ですが、当然人智を超えたサービスではありません。
何を言いたいかというと、データの正確性は映像の質に依存すると言うことです。
当然、できる限り見やすい角度・距離で撮った映像の方がデータの精度は上がります。
平面に近い角度でもデータをとってくれるので、大変だろうな、、とは思ってしまいますがありがたいです。
また、人間がとっているデータなのでごくまれにミスも見つかります。
欠点という欠点は見つからないというか、何を求めるかで判断基準が変わります。
十分満足という人もいれば、物足りないという人もいることでしょう。
現状はこんな風に使っています
主に
- 選手・スタッフへの映像・データ共有
- データと映像を見ながら監督と試合振り返り
といった用途で使用しています。
選手・スタッフへの映像データ共有ですが、これまではYoutubeにアップして限定公開という形を取っていましたが、hudlにアップするだけでチームに登録している人が見られるので手間が減ります。
また再生数も出るため、どのくらい見られているかを確認できます。
監督との試合振り返りでは、試合の所感とデータを見比べながら課題や原因を探る作業を行なっています。
GPSも同時に取っているので、深めに考察できると感じています。
また、現在の現場は2チーム体制なので、比較も可能です。
これは今後のことですが、アシストから送られてきたデータはCSVで出力可能なので、データの蓄積と中長期的な振り返りもできて、現場にも研究にも生かせると思います。
現状はこんな感じで使用しています。
まとめ
時間のことやチーム状況、スタッフ状況を考えた時に、私にとっては現時点ではとても役立つサービスとなっています。
ただし、データを処理したり、その意味を正しく読み取ることができないと宝の持ち腐れ感はあります。
逆にデータを活用できる環境下ではコスパの良いサービスだと感じました。
当然データが全てではないので必要かどうかは現状の環境を考慮した上で判断した方が無難です。
ツールはその名の通り手段なので、上手く扱うことが重要になります。
今後、サッカーのデータの意味を探ろうという主旨のセミナーを単発でも開こうと考えています。
気長にご期待頂ければありがたいです。
また進展があったら更新します。
ご精読ありがとうございました。