ゲーム分析がしたい
と思った時に
という疑問を持つ人は多いのではないかと思います。
結論から言うと
目的によって変わります。
これはどういうことなのか、について解説します。
ちなみにこの記事では実践現場におけるゲーム分析について書いています。
研究のためのゲーム分析の項目や試合数の設定に関しては以下の記事に書いているため
研究のことを知りたい人は、そちらを見てみてください。
目次
試合数と測定項目の決定方法
目的が明確だと自然と決定していきます。
目的から考える、見るべき試合数問題
例えばゲーム分析の目的の代表例には
- フィードバック
- フィードフォワード
があります。
フィードバックは要するに振り返りです。
前の試合のチームパフォーマンスを振り返る場合は、1試合見れば済みますが、
シーズンを通したチームパフォーマンスの場合はシーズンの全試合になります。
フィードフォワードは相手の分析を行い対抗策を打つためのものです。
この場合は、チームが「対抗策を打てる」状態になるだけの情報量が必要になります。
つまり、チームの対抗策決定者が「納得・了解する」という主観が基準となります。
1試合分の情報量で納得できれば1試合でよく、5試合必要なら5試合といった感じです。
つまり、
〇〇試合分析したから大丈夫
という試合数は存在しないことになります。
研究でも似たようなことが言えるのですが、試合数よりも
なぜその試合を選んだのか?
という対象試合の選定の方が重要だと思っています。
ゲームで何を見たらよいか(分析項目の問題)
見るべきポイントも目的に依存します。
相手への対抗策をトレーニングで落とし込みたい場合であれば
自チームの攻撃に対する相手チームの守備
などの相互作用を想定しなければいけません。
なので、一つの方法としては
自チームの攻撃に近い攻撃を行っているチームとの対戦を対象に
ビルドアップ(ダイレクト・ポゼッション)やゴール前での攻撃に対する
- プレッシング(立ち位置・高さ・トリガーなど)
- 組織的守備(立ち位置・守り方(ゾーン・マンマーク・併用)など)
- 特定の攻撃パターン(クロスなど)に対する守備方法
を見ることがあります。
このように局面や状況ごとにどのようなリアクションがあるか、を見れる項目を作成していきます。
こういった分析のフレームワークや考え方は自分で考えたり、本などで学ぶことができます。
例えば
こちらではイタリアサッカー連盟のスカウティング講座で使用されているフレームワークを見ることができます。
この本では筑波大学蹴球部の監督がどのように試合を分析しているかを垣間見ることができます。
こういったものを基本にして試行錯誤しながら項目を作成していくというのが良いと思います。
分析を生かすために
現場に落とし込むことが一番大事
分析は基本的にトレーニングとセットです。
分析結果とトレーニングがリンクしていないとなると
せっかくの分析も意味がありません。
環境(分析者の人数や時間)に制限がある場合は、測定項目をリンクしやすいものに限定することも選択肢に入れましょう。
分析しても生かせない環境ならば、分析は捨てて他のパフォーマンスに繋がることに力を注ぐべきです。
できる限り効率化する
ただ、分析をしたら良いのはわかってるけど時間が許さない、、という場合もあります。
効率化をはかるためには
- 分析者の人数をふやす
- 分析ツールを利用する
これらは検討の余地があります。
分析者の人数を増やす
スタッフを雇う余裕がある人はいいのですが、そうでない場合は
選手に分析を行ってもらうことも効果的だと思います。
サッカーの理解にも繋がるし、時間も短縮できてメリットは多いです。
分析ツールを利用する
今は操作も簡単でコストも抑えられる分析ツールが結構あります。
効率という面で言ったら利用した方が間違いなく良いです。
こちらも目的と環境によるのですが、詳しくは下記記事を参照ください。
目的を明確にするのはメリットしかない
目的はいろいろ
当然、ゲーム分析の目的は上記のものだけではありません。
- スカウティング
- ブログ
- 研究
- レポート
- 本の執筆
- 趣味
いくらでもあげることができます。
さらに具体的にしていくと
- シーズンを通したチームの傾向
- 1人の選手の前節のパフォーマンス
- 失点の原因の解明
- リーグの特徴を明らかにする
- 監督の志向を探る
このように、目的は人によって違うものです。
ここまで書いてきたように、目的を明確(具体的)にすることによって
- 見るべき項目
- 見るべき試合数
- 分析方法
などを考えることが簡単になります。
逆に目的が定まらないと決まりません。
目的ってどうやって決めるの?
個人的におすすめなのは
人と話すこと
です。
基本的にゲーム分析はアウトプットする相手が納得・了解することで完了します。
そのため、アウトプットする相手がいる場合は分析をする前の段階から話すことで目的が具体化やすいです。
また、人と話すことによって、自分では曖昧じゃないと思っていた部分をつついてもらえたりもするので、分析班がある場合はミーティングをしたりするのも非常に有効です。
友達とサッカー談義をしながら目的の輪郭をはっきりさせることもできますね。
自分だけで考える場合も、とにかく「なぜ?」を追求しましょう。
まとめ
目的を明確にすることで項目や試合数は決まりやすいという話でした。
目的別の項目や試合数の例も今後あげられればと思います。