現在、国際武道大学女子サッカー部ではHudlを使用しています。
今年度からは私のゼミ生を中心にゲーム分析班も作ってもらって、稼働しています。
試行錯誤しながら進めているので、Hudlの得意な部分、不得意な部分も見えてきました。
今はゲーム分析ツールはたくさんあります。
ツール紹介の記事はアクセスも多いので、どんなツールを導入しようか検討している人もたくさんいるのかなと思います。
そこで、今回はHudlを使用するメリット・デメリットを紹介します。
現状結論としては
- 映像の共有は強め
- 人数が多い時のコスパは良い
- クリップの吐き出しができる
- 映像編集ソフトと併用すると良い
という感じです。
完璧に使いこなしている!とは思って無いので、参考までに。
目次
Hudlとは
手軽に映像分析を始めたい人に向けたもので
- 共有
- クリップ・タグ付け
- 描き込み
- データの自動生成
などが可能です。
料金
5つのプランがあります。すべて年間契約です。
プラン名 | 年額(税込) | ビデオ容量 |
ブロンズ | 76,478円 | 40時間 |
シルバー | 137,660円 | 100時間 |
ゴールド | 244,728円 | 200時間 |
ビデオ容量の他にも、プランが上がれば使える機能が増えていきます。
料金等はHP上には書いてありませんが、プラチナ・ダイヤモンドもあります。
しかし、プラチナ・ダイヤモンドに関しては格段に値段が上がるため予算が大きなクラブ向けになっていると考えられます。
大きな特徴としては、アカウント数が全てのプランで無制限という点です。
人数が多い方が1人当たりの金額としては下がるので、使い方にもよりますが、大人数の方がお得感はあります。
実際にどう使っているか
まずプラン等についてですが、
- プランはシルバー
- Hudlアシストを利用している
Hudlアシストについては以下記事に詳しく書いているので興味がある方はご参照ください。
Hudlアシストは簡単に説明すると、簡易なタグ(パスとかシュートとか)は外注先がやってすぐ返してくれるというサービスです。
まず、スケジュールの話です。
土or日が試合で、映像を使用してミーティングをするのは基本的に木曜日です。
試合後すぐに監督が映像をHudlにアップロード、Hudlアシストに送信してくれます。
24時間以内にHudlアシストによってタグづけされた試合映像が返ってきて、その際にデータも自動生成されているのでどちらも選手・スタッフが見られるようになっています。
自チームの分析を担当する選手は3人いて、火曜日の午後までにFeedbackタグをつけます。
便宜上Feedbackタグと名前をつけていますが、要するに自分たちの気になった箇所に付箋しておいてね、という感じです。
そのFeedbackタグをつけた箇所はクリップとして全てまとめて、Hudl上で共有しておきます。
必要な場合はコメントをつけることもできますし、他のスタッフが聞きたいことがあればコメントかLINEグループで質問します。
火曜日の午後にスタッフミーティング(現在は私と学生)で、Feedbackタグのついた映像を一つずつ見ていき、どの映像を選手向けの映像ミーティングで見せるかを一緒に考えます。
その後、必要なクリップ(映像)をダウンロードして映像編集ソフトに移してミーティング用の映像を作成していきます。
Hudl上でも映像編集はできますし、最初はそうしていたのですが、今は映像編集ソフトで編集しています。
その理由は後ほど「Hudlが苦手なこと」の章で書きます。
木曜日に選手向けの映像ミーティングがあるので、その前に監督と最終確認をしてミーティングをします。
女子サッカー部でゲーム分析班を作ってもらい、今日が初仕事。もちろん自分含めて色々とまだまだだけど、第一歩は貴重だなと感じた。そんな日でした。 pic.twitter.com/Io2IX3IfUz
— 鈴木健介 Kensuke Suzuki (@KensukeSuzuki32) April 6, 2023
ミーティング・練習後に簡単にミーティング自体がどうだったかを話し合ってひとまず終わりです。
こんな感じで現在は進めています。
Hudlが得意なこと
まだ分析班が実稼働して1ヶ月ほどなので、全てを把握できているわけでは無いのですが、以下Hudlが得意なことだなと感じるものです。
- 映像の共有と人数多い時のコスパ
- クリップの吐き出し
- Hudlアシスト
✔︎映像の共有と人数多い時のコスパ
映像の共有は他のツールでもできます。
が、他の多くのツールとの違いは、視聴人数が増えても金額が変わらないということです。
多くの人数を抱える場合はとても良い選択肢だと思います。
✔︎クリップの吐き出し
タグ付けされている動画(クリップ)の吐き出しは、できないツールも意外とあるので良い点です。
クリップの順番も吐き出し前であれば簡単に入れ替えられるので、見せたい順番通りに作成することもできます。
✔︎Hudlアシスト
Hudlアシストを使っていることもあるのですが、例えばシュートシーンを振り返りたいとか、得失点のシーンだけひとまず選手とも共有したいという場合に便利です。
データは、効果的に使えるかどうかは考察・分析する人がいるかどうかによるので、なんとも言えないところですが、幸い私が専門なのでできる範囲でフィードバックしたりしています。
Hudlが苦手なこと
有用なツールですが、当然何でもかんでもできるわけではありません。
それは全てのツールに言えることです。
というわけで苦手なこととしては以下があげられます。
- 映像編集
特筆すべきはこの一点かなと思っています。
前述したように、最初はHudl上で映像編集を行なっていました。
が、以下の問題が発生しました。
- フル尺の映像に矢印や文字を入れた場合
- 毎回そこで映像がストップするので毎度再生を押さなくてはいけない。
- 矢印や文字が無い状態の映像が見れなくなる。
タグ付けした映像を別で編集することもできるのですが、その場合は
- 該当のクリップ(タグ付けした映像)を吐き出す(ダウンロードする)と、矢印やコメントが消える。
- タグ付けした映像には文字を入れることができない。
- クリップを作成した後に、追加クリップをする作業が意外と手間になってしまう。
という感じでした。
映像ミーティングをオフラインで行いたい、矢印や文字を入れたい、スタッフとのミーティングを経て映像資料を完成させていきたい、というこだわりがあったので、
上記の問題は意外と大きく、それなら編集は別のツールでやった方が良さそうだね、ということになりました。
ちなみに今選手が使用している映像編集ツールはWindowsの備え付けツールである「ビデオエディター」です。
まとめ
以上まとめると
- 映像の共有は強め
- 人数が多い時のコスパは良い
- クリップの吐き出しができる
- 映像編集ソフトと併用すると良い
となります。
上述したように、完璧なツールは無く、チームや状況によって最適なツールは変わってきます。
現在、研究・現場含めて4つ分析ツールを使用していたことがあるのですが、選択肢としては上質なものが増えてきていると思いますし、全てのツールにメリット・デメリットはあります。
分析ツールを検討している方には、今回の記事も参考にしてもらえれば嬉しいです。
ちなみに
ゲーム分析やツール選択などのご相談も受け付けています。(現状は趣味としてやっています。)
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