大学教員になるためのステップは非常にシンプルなのですが、知られていないと感じます。
私自身、大学在学時はもちろん、大学院生になりたての頃は、大学教員になろうとしていなかったこともあり、全く理解していませんでした。
簡単に説明すると
公募(大学からの募集)に応募して採用してもらう
というだけです。
私は、採用された経験はまだ一度だけなのですが、公募に応募したことは複数回あります。
その経験を踏まえて少し大学教員になるためのステップについて深掘りしてみたいと思います。
目次
大学教員になる方法
公募を見つける
上述したように大学教員になるためには「公募」と呼ばれる大学からの教員募集に応募する必要があります。
そのためまずは公募を見つける必要があります。
色々な大学のHPを常にチェックして、、という訳ではなくjREC-IN Portalという国立研究開発法人科学技術振興機構が運営している求人サイトを利用している人の割合が高いです。
このサイトで公募情報を検索することができますし、自分に関係のあるワードを登録しておくと、そのワードが入っている公募が出た場合には自動的にメールで教えてくれます。
風の噂で「あの大学が募集出すらしいよ」みたいなことを聞くこともありますが、基本的にはjREC-INに募集が出るのでその情報待ちになります。
公募に書いてあること
公募では求人内容として
- 研究分野
- 予定担当授業科目
- 採用予定人数
- 資格(職位)
- 雇用形態
- 着任時期
- 勤務地
- 応募資格
- 待遇
- 応募書類
- 選考方法
- 結果通知方法
- 備考
が書いてあることが多いです。
これらを見て「自分が応募条件を満たしているか」を判断します。
完璧にマッチすることは多くないですし、最近は自身の専門以外の授業などを求められることも多いので、「条件を満たしていないことはないか」というくらいで出すこともあります。
また、大学によって採用条件の中でも何を重要視するか(教育なのか研究なのか課外活動なのか等)は様々です。
これを公募内容から完璧に把握することは難しいので、できる限り業績を上げておく必要があります。
公募で勝つ
公募条件を自分が満たしている場合でも、応募すれば採用されるわけではありません。
公募にもよりますが、応募後に競争があることがほとんどです。
基本的には
- 書類審査
- 面接・模擬授業
という流れになります。
✔️書類審査
書類審査では
- 履歴書
- 教育研究業績
- 着任後の抱負
などで審査されます。
教育研究業績では
これまでの教育活動(担当してきた授業など)や研究活動(論文や学会発表など)の記載があります。
大学院生などはこれらを埋めるために非常勤講師をしたりTAをしたり論文を書いたりします。
また、博士の学位もしくはそれに匹敵するような業績が必要となることが多いです。
そのため大学教員になりたい場合は博士をとって悪いことはあまりないです。
ただし、必須ではないですし、大学教員をしながら博士をとる方もいるので、博士を持っていないからといって採用されないということではありません。(もちろん条件によりますが。)
博士号取得に関しては以下記事に詳しいので興味ある方は読んでみてください。
✔️面接・模擬授業
書類審査を通った場合、面接や模擬授業による審査に進みます。
これも大学によって面接だけだったり模擬授業をいくつかやったりします。
基本的には以上の審査で採用されるかどうかが決まります。
公募に当たらなくても、能力だけの問題でないこともよくある
当然ではありますが採用されることもあればされないこともあります。
かなりの数の公募に落ちた人の話も聞いたことがあります。
もちろん業績が足りないということもよくあると思うのですが大事なことは
大学が求めている人材と自分がマッチしているか
ということに尽きます。
そのため、業績は多いにも関わらず公募に落ちるということはよくある話です。
「落ちたとしてもマッチしていなかっただけ、縁がなかっただけ、と思うことが大切です。」
と面接官の先生に面接の合間に言われた思い出があります。
目指すは、一本釣り
公募自体、自分の思ったようなものが出ることは少ないですし、タイミングもあるのでそういう意味では運の要素も大きいとは思います。
しかし、一部優秀な教員に関しては大学側から求められるパターンもあります。
このように一本釣りの対象となれるように日々の活動を懸命に行うことが大学教員になるためには必要であると思います。
まとめ
以上、大学教員のなり方についてでした。
他のルートもありますが、上述したようなステップが基本的なものになります。
参考になれば幸いです。
ご精読ありがとうございました。