分析ミーティングを頑張ってしたのに
とか
のように感じることがあったりしますよね。
こんな人はもしかしたら
意味を伝えきれないミーティングになってしまっている
かもしれません。
記憶の特徴として
- 意味のないものは記憶が難しい
- 意味のあるものは記憶に定着しやすい
ということがあります。
ミーティングを行うということは、内容的に意味がないということはまずないでしょう。
しかし、その意味が選手に伝わらなければ
選手がミーティング内容を記憶することは難しくなってしまいます。
逆に、きちんと意味が伝われば記憶にも残しやすく、パフォーマンスも上がる可能性があります。
そこでこの記事では
分析ミーティングの効果を最大限に活かすための方法について考えました。
目次
参考にした本
今回の記事では以下の本を参考・引用しました。
単純に本としても非常に面白いのでおすすめです。
分析ミーティングの効果を上げる6つの方法
- 全体像を最初に見せる
- 前提知識を揃える
- イメージを活用する
- 構造化する
- 見返せるようにする
- コミュニケーションをとる
以上の6つが分析ミーティングの効果を上げてくれます。
以下解説していきます。
全体像を最初に見せる
まず以下の文章を読んでみてください。
「手順は実に簡単である。まず、ものをいくつかの山に分ける。もちろん、全体の量によってはひとかたまりのままででもよい。設備がないためにどこかほかの場所に行かなければならないのなら、それは次の段階であり、そうでなければ準備はかなりととのったことになる。大事なことは一回にあまり多くやらないことである。一回に多くやりすぎるよりも少なすぎると思われるくらいのほうがよい。目先だけのことを考えるとこのような点に注意する重要性はわからないかもしれないが、そうしないと面倒なことになってしまう。失敗によってお金が高くつくこともある。最初、手順全体はややこしいように思われるかもしれないが、すぐにこれも生活の一部にすぎなくなるはずである。近い将来にこの作業の必要性がなくなるとは考えにくいが、かといってどうなるかは誰にもわからない。」
文章自体は難しい言葉はありませんし、読みにくいということもありません。
この文章を記憶するという課題に対して
文章内容についての事前説明のなかったグループと
「この文章は「洗濯」に関する文章である」という説明があったグループとでは
記憶できた量に大きな差があったそうです。
そりゃそうだと思うかもしれませんが、ミーティングでありがちなこととして、いきなり映像を流して後から説明を加えていくパターンがあります。
これは、知らない文章をいきなり読まされることに近いことだと思います。
そのため、ミーティングでは全体像(ミーティングで伝えたいこと)をまず説明することが必要であると考えられます。
前提知識を揃える
何であれ対象となる事柄の領域に関した知識をもちあわせていなければ、理解することは難しく、そのために記憶にも残らない
誰しも自分の興味があること、知識があることに関しては覚えやすく、
興味がないこと、知識が少ない分野のことは覚えにくいものです。
カテゴリーによっては、サッカーに関する知識や理解のレベルが選手間で違うこともあり得ます。
まずはこのレベルを揃える作業が大切です。
ゲームモデルに関するミーティングをしたり、一緒に試合を見たりする機会を増やすなどが手段として考えられます。
あとは特定の単語が共通理解を得ているかどうかも重要です。
例えばサリー(サリーダ・ラボルピアーナ)。
使ってはいけないということでは当然ないのですが、使った時に選手がこの言葉を知らなければ伝わる率はグッと下がるでしょう。
ミーティングだけでなく、普段のコミュニケーションなどでどれだけ前提知識を揃えられるかが重要になります。
イメージを活用する
多くの情報を関連づけて圧縮するので、理解や記憶がスムーズに進む
上述の理由から、文字よりも絵などのイメージの方が記憶に残りやすいため
映像に対して描画(矢印など)を入れることが効果的である可能性が高いです(やればやるほどよいというわけではない)。
最近はツールがどんどん増えているので簡易なものであればすぐにできますし、こだわろうとすればいくらでもこだわることができます。
また、俯瞰の図を利用することも理解・記憶を促進すると考えられます。
当然、普通に映像を流すよりも手間はかかりますが、効果は高いと感じています。
構造化する
知識があればよいということではなく、重要なのは知識が構造化され新しいことがらを関連づけやすくなっているということ
構造化する、という意味で一番簡易なのは
局面毎に映像をまとめることです。
時間軸に沿って見せても悪いことはないのですが、情報があちこちいくと理解が難しくなります。
例えば
このように局面を分類した場合は
攻撃「ビルドアップ」→「ビルドアップ→ゴール前」→「ゴール前」→守備「ゴール前」→「相手ビルドアップ→ゴール前被侵入」→「プレッシング」
のように見せていくといった形です。
局面毎でなくとも、ある程度意味のある構造化がなされていれば効果はあると思います。
見返せるようにする
長く記憶に定着させるためにはインプットの時間間隔をあけることが効果的
せっかくミーティングをしても、その映像を二度と使わないのではもったいないです。
一本の動画にしたり、共有ツールを使用するなどして選手が見返せるようにしておくと良いです。
どれだけうまく行ったとしても、一回のミーティングで伝えたいことを完璧に伝えることはできません。
そのために、繰り返し見れるようなシステムを構築すべきだと思います。
もしくは、以前使用した映像の一部を新しいミーティングに使用したり、中長期的な振り返りのミーティングを行うなど
記憶に定着させるための工夫は多くあると考えられます。
コミュニケーションをとる
学びの際に自分事として考えなければならない
一方的な発信になると、ミーティングの効果は薄れてしまいます。
なぜなら考える作業が努力義務になってしまうからです。
解決策の一例として、時々選手に話を振るという手段があります。
もしかしたら自分が当てられるかも、と思うことは考えるきっかけに十分なると思うので効果的かなと思います。
ただ、ミーティング中に全員に聞くことはできないので、
ミーティング後にも積極的にミーティング内容についてコミュニケーションをとることがおすすめです。
まとめ
分析ミーティングの効果を上げる6つの方法は
- 全体像を最初に見せる
- 前提知識を揃える
- イメージを活用する
- 構造化する
- 見返せるようにする
- コミュニケーションをとる
でした。
当然、ミーティングの効果を上げる方法は他にもたくさんありますし、
チームによって合う合わないはあるので参考までに。
以上、ご精読ありがとうございました。
参考文献を再度掲載しておきます。